わたるくんのにっき
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MAMAさま作


続・ぼくが歯医者に連れてくよ その7




「本当に申し訳ないことをしました。。」
って あたまをさげてるせんせいに あおいちゃんが
「さっき仰ってた『気になること』ってこのことだったんですね?で・・あの。。今、そのお父さまは??」って きいたんだ。
そだね きになるもんね。

「父は、今もあの診療所で現役で歯科医をしてますよ。最近じゃ、もう新しい患者さんは全部こちらに回して、古くからの患者さんだけ予約制で診てます。優雅なものですよ。あちらが本院で、こっちが分院ってことになってるんですがね、実情はこっちが本院ですね。」
って せんせいは にこにこわらいながら そういったんだ。

そして すごくまじめなおかおをして おじちゃまに
「悟さん、あれから1度でも歯医者に行かれたことがありますか?」
ってきいたんだ。

「いえ。。。あれ以来 歯医者に行ったことはないです。今日が初めてで・・・20年ぶりくらいですね。。」
って てれくさそうにいった おじちゃまに せんせいは おおきくためいきをつきながら
「やっぱり・・・。 で、今も歯医者は怖いですか?」
ってきいたんだ。。

「他の先生はどうかはわからないですが、先生は怖くないです。」

わっ! おじちゃま すごい〜!!
ってゆーか せんせいがすごいのか〜?
うん やっぱり いいせんせいだったんだよね。
だれ? アブナイなんていったのは〜??

「でしたら、僕を悟さんと葵さんの主治医にさせていただけませんか?お二人は海外で仕事されることが多いでしょう?海外での歯のトラブルって結構キツイですから。。いくら語学が堪能でも、痛みの状態を説明するのは難しいです。細かいニュアンスなんかが伝わりませんから。。。如何でしょう?」

あおいちゃんと おじちゃまは しばらくみつめあってたんだけど
ふたりそろって にっこりわらって こういったんだ。

「ええ、願ってもないことです。先生、よろしくお願いします。」


 
      ☆.。.:*・゜♪゜・*:.。.☆.。.:*・゜♪゜・*:.。.☆.。.:*・゜♪゜・*:.。



「普通は、4ヶ月に1度定期的に検診に来ていただくんですが、お二人の場合は、海外に長期で行かれる前後にチェックに来ていただくってことにし
たいと思うんですが。」
っていうせんせいに
「ええ、それで結構です。こちらから連絡させていただけばいいんですよね?」
って おじちゃまがおへんじして・・・
なんか すごくなかよしになっちゃったみたい?
う〜ん。。。 ぼく おじちゃまをまもってあげようとおもってたのに なんにもできなかったよ。。。


「しかし、20年間歯医者に行かなくて、この状態ですか?余程節制されたんですね?歯磨きも一生懸命したんでしょ?」
ってくすくすわらうせんせいに おじちゃまは あたまをかきながら
「だって、虫歯が出来たら歯医者に行かなくちゃならないんですよ。甘い物は我慢して、もちろん歯磨きは必死でやりました。お陰で甘い物が苦手になっちゃいましたけど。」
っていったんだ。

「でしょうね〜。。でも、磨きすぎると表面のエナメル質が溶けて、かえって虫歯になり易くなるんですよ。何事も、ほどほどにってことですからね。」
って せんせいは またわらったんだ。

「ん〜。。ただね、検査をしてみないと断言はできないんですが、診た感じではお二人は『虫歯菌』に感染してないんじゃないかと思うんですよ。」

え?? 『むしばきん』?? なにそれ。。。。
えと・・・まっくろで しっぽがあって はりみたいので はをつついてたりするばいきんが えほんにのってたりするけど あんなのほんとうにいるの??

あおいちゃんも ??っておかおをして
「『虫歯菌』・・・ですか?」って きいたんだ。。
そしたら せんせいが
「ええ、虫歯って言うのは『虫歯菌』、別名『ミュータンス菌』に感染してなるんですよ。逆を言えば、『虫歯菌』に感染していなければ、虫歯にはならないってことですが。」
って おしえてくれたんだ。

そしたら こんどは おじちゃまが
「と言うことは、僕達もこれから感染したら、虫歯になるってことですか?」
って すご〜くいやそうなおかおをして いったんだ。

「いえいえ、『虫歯菌』に感染するのは、せいぜい4〜5歳までと言われてますから、お二人がこの先感染することはないはずです。でもね、渉くんはもう虫歯になっちゃってるから、残念だけど感染しちゃってるんだ
よ。」
って せんせいは ぼくのほうをむいていったんだ。

え〜〜〜! そなの〜?? ちょこっと ショックかも〜。。
でも ぼくのむしばきんって だれからうつったんだろう?

「その『虫歯菌』って言うのは、どんな風に感染するんですか?」
って あおいちゃんが なんかわくわくしたようなおかおで せんせいにきいたんだ。

「そうですね。。一番多いのは、所謂『母子感染』ですね。つまり、お母さんから子供に移るってパターンです。お母さんが自分が使った箸やスプーンで子供に食べさせるなんてことでも移りますし、熱いものをふーって息をかけて冷ましただけでも菌が飛んで移るって仰るせんせいもいらっしゃいますよ。結構簡単に移っちゃうみたいですねぇ。」

そなんだ・・・ じゃ ぼくのむしばきんって ママからうつったのかな?
なんか ヤダなぁ。。。。。

「へぇ〜。。 そんなに簡単に移るんですか??じゃ・・・ その・・ キスなんかしたら覿面ってことですよね??」
って あおいちゃんがうれしそうに いったんだ。
え? そなの??

「あははっ! そうですね。 まぁ いくらなんでも子供相手にそんなことする人がいるとは思えないですが、所謂そーゆーキスでも移りますよ。あ、悟さんと葵さんは大丈夫ですからね、遠慮なくどうぞ♪」
って せんせいにいわれて あおいちゃんは まっかになっちゃったんだ。

そっかぁ〜 そなんだぁ〜
けど・・・ ぼく きになってしかたがないことがあるんだけど・・・
だから せんせいにきいたんだ。

「ねぇ せんせい。。 そーゆーキスって『おとなのちゅう』ってこと??」

そしたら せんせいは おめめをまんまるにして
「え?? いや・・・ そうだけど・・・ 渉くんには関係ないでしょ?」
っていったんだけど。。。。。。。。
いや あの う〜ん・・ かんけいなくはないんだけど。。。
で ぼく つい ぽろりと いっちゃったんだ。


「だって・・・ もしそうだったら ぼくの『むしばきん』 ゆうすけおじちゃまか
らうつったのかもしれないんだもん。。。。」って・・・



 【衝撃を残して その8に続く〜】

もも♪:やたっ!! ついに『虫歯菌』登場!!
MAMAさま:さてさて、「花のワルツ」(相変わらず「歯なの」って出る〜/泣)で終始カッコよかった祐介くん。。こっちでは 申し訳ないけど、本人不在のまま次回地獄の底に落ちていただきましょ。
もも♪:うふvv やっぱ祐介ってば 落ちてナンボ〜〜♪
MAMAさま:うふv 多分次で終わります。 ええ、大センセさえ出てこなかったら〜!(出さねぇよ〜/爆)

もも♪:え?出ないの〜(←ひどく残念そう)

にっきのもくじうらの ほーむ