おばかな変態保健医の日記

By 斎姫さま

その3




 2月14日。
  バレンタイン・デー。<St.Valentine’s Day>
  愛する人に贈り物をする日。


 今日の私、藤村 静はちょっとアンニュイである。

 朝、毎年恒例のマムからのキスとチョコが届いた。
 食堂のマダム方からはチョコやココアを頂いた。
 学校の生徒からもかなりな数のチョコやその他諸々も頂いた。
 
 そう、一つのことを除いていつもとおりのバレンタインなのだ。

 でも、その一つのことが私の心をアンニュイにさせるのだ。たった一つの事が。






  ガラガラガラ〜〜ッ

 「失礼します、藤村先生。今、宜しいですか? 今日の・・・・」

少し物思いに耽っていた私はその音にビックリしてしまったようだ。
戸を開けて入って来た人物は、私の過剰反応に言いかけていた言葉をとぎらせた。

「・・・あ。すいません、光安先生。少しウトウトとしていましたもので・・・・何か御用でしょうか?」

過剰反応の追求をされるよりも早く先手を打って先を促す。
もちろん対イイ男用のスマイル全開である。

「ああ。そうそう、今日の職員会議の事ですが、4:30の予定でしたが5:00に変更になりましたのでその連絡です。」

さすがにイイ男は対応もスマートだな。
しかし、この私の全開スマイルに少しも動揺しないというのはちょっといただけない。
動揺の欠片、くらいみて見たいものである。

「はい。解りました。わざわざ、ありがとうございます。」

更に、にっこりと微笑んでみる。
私としても彼を堕としたいとは思わないが、同じ男として負けたくないという気持ちはあるのである。

「それと、藤村先生。・・・・・・・ここにあとが残ってますよ。」

う?うん?!え゛ぇぇぇぇぇ????!

何故に光安先生の顔がこんなに近いのか。
私の頬に触れているこの暖かい感触は何なんだ〜〜〜〜?!!!!

常なる私のスマート精神、紳士たるもの常に冷静でなければ・・・・・は脆くも崩れさってしまう。
私の頬に残っているらしいあとを消すように優しく拭う彼のその掌の動きによって。

「・・・・・・・・あ、あの。光安先生?」
「ああ。すいません、いきなり失礼をしました。」

動揺指数120%の私のかろうじた呼びかけに、すっと手を引き身を離す。
う〜ん。なんだか同じ男として悔しい気がする。
なんでこの人はこんなにスマートなのだ。

「いえ。私こそみっともない所を見られてしまいましたね。 光安先生、このことはもちろん秘密にしておいて下さいね」

ちょっとは落ち着いてきたようだ。冗談も加えて言葉を返せた事だしね。
うん・・・。もう大丈夫だろう。

「もちろんですよ。こんなことを話したらそれこそ僕の身が危ないですからね。」

向こうも乗ってきてくれたようだ。
まぁ、これが大人同士の会話というものさ。

よし!これで何とかなっただろう。

しかし・・・・”あと”って何のあとだったんだろう。
後で鏡を見てみなくてはいけないな。



 
3、一応終わり?です。


ついについについに!
光安センセの登場です!!
静センセ、手玉に取られてます。ふふっ。
静センセの天然は、光安センセにはお見通しなんじゃないでしょうかねぇぇぇ(にやり)

さてさて、センセについていた「あと」とは?
3.5話を待て!(笑)


続きへGO!