前編




ぼく　さとる。　ようちえんのねんちゅうさん。
５さいで　３にんきょうだいのいちばんおにいちゃん。

うえのおとうとは　のぼる。　したのおとうとは　まもる。
でも　みんな　おなじとしなんだ。
かわってるでしょ？　でもね　３つごじゃないんだよ。

ようちえんでは　ぼくとのぼるが　たんぽぽぐみで
まもるが　ちゅうりっぷぐみなんだ。
セーラーふくの　せいふくが　いちばんにあってるのは　のぼる。
きんいろのかみが　きらきらしてて　えほんにでてくる　おひめさまみたいなんだよ。

まもるは　いちばんしたなのに　いちばん　からだが　おおきいんだ。
きのぼりがとくいで　いつも　げんきに　おそとで　あそんでる。

え？　ぼく？？　う〜ん・・・
ぼくは　いちばんおにいちゃんなんだけど　せは　まもるよりちっちゃいし
のぼるみたいに　じょうずに　おしゃべりもできないんだ。

それに　ママがいってたけど　おむつが　はずれるのも　きょうだいのなかで　いちばんおそかったんだって。

おじいさまは　
「長男なんてそんなものだよ。ぽやぽやしてて当たり前！」
っていって　わらってくれるんだけど
おばあさまは　
「桐生家の長男なんだから、もう少ししっかりしてちょうだい！」
っていうんだ。
ぼく　がんばってるんだけどな〜。。。



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ようちえんが　なつやすみにはいってすぐに　ママは　のぼるとまもるの　２人だけをつれて　ウィーンに　いっちゃったんだ。
「ぼくも　つれてって！」って　ないておねがいしたんだけど
「遊びに行くわけじゃないからダメ！」っていって　つれていってもらえなかったんだ。

いつも　どこにいくのも　３にんいっしょだったのに　こんなことって　はじめてだよ。
なんでなんだろう？　なにがあるんだろう？？

だから　ぼくは　ママとのぼるとまもるが　かえってくるまで　きりゅうのおじいさまのおうちで　ひとりで　おるすばんなんだ。
いっしょに　あそぶあいてが　いなくって　つまんない。。

はやく　のぼるとまもる　かえってこないかな〜？　って　おもってたら　とつぜん　おとうさんが　かえってきたんだ！


ぼくのおとうさんは　オーケストラのしきしゃで　ふだんは　ず〜っと　がいこくでくらしてる。
で　ときどき　にっぽんに　かえってくるんだけど　あまり　おうちには　いないんだ。
だから　ぼく　おとうさんのこと　あんまりよくしらない。


おじいさまは　おとうさんに　
「せっかくだから父子水入らずで、伊豆の別荘にでも行ってきたらどうだ？」
っていってくれたんだけど　おとうさんは　なんだか　ちょっと　こまってるみたいだった。

ぼくも　こまっちゃうよ。　だって　なにを　おはなししたらいいのか　わかんないんだもん。

なのに　おじいさまったら
「２泊くらいなら大丈夫だろう。明日の午前中の特急の指定席を押さえておこう。　帰りは午後の早い電車がいいな。あぁ、別荘の管理人にも連絡をいれなくては。」
って　どんどん　かってにきめちゃったんだ。

そして
「悟。明日の朝は、早起きだぞ。用意はしておくから今夜は早く寝なさい！」
って　いつもより　１じかんもはやく　ベッドにいれられちゃったんだ。

はぁ〜。ほんとに　おとうさんと　ふたりで　おとまりなんだ。。。。
どうしよう〜〜！　こまっちゃったなぁ。。。。。

　

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こまったなぁ・・ってかんがえてたら　ゆうべは　なかなかねむれなかったよ。
なのに　いつもより　すご〜くはやくおこされちゃったんだ。
おめめを　こすりながら　おきていったら　もう　おじいさまもおばあさまもおとうさんも　みんなおきてて　おでかけのよういも　すっかりできあがってた。

「悟。時間がないから早く朝ご飯を食べてしまいなさい。」
って　おじいさまにいわれて　ごはんをたべはじめたぼくのとなりで
「良昭さん。悟に危ないことはさせないでくださいね。怪我なんかさせたら承知しませんからね！」
って　おばあさまが　おとうさんにいってた。

おとうさんは
「解ってます。ちゃんと気をつけますから・・・」
ってこたえながら　こっそりためいきをついてた。

おとうさんも　ぼくと　おでかけするの　きがすすまないのかな？
なんだか　ちょっとだけ　かなしくなってきちゃった。。


おきがえをして　かえるさんのリュックをせおって　おとうさんと　くるまで　えきまでいった。
おじいさまは　いっしょにえきまできてくれて　おみおくりしてくれたんだ。



「それじゃ、良昭くん。頼んだよ。悟、楽しんで来なさい。」
って　いわれて　おとうさんと　ふたりで　とっきゅうでんしゃにのったんだけど・・・・

なんか　どんどんおちこんできちゃった。。。。
おとうさん　ぼくと　ふたりで　いやじゃないのかな？
そんなこと　かんがえてたら　でんしゃが　しゅっぱつしちゃった。

あ〜ぁ・・・なんで　こんなことになっちゃったんだろう。。。。。。。。
【中編へ　続く〜】

さてさて、困惑の父子二人旅　出発です。。。。