おばかな変態保健医の日記

By 斎姫さま

その4




3月14日。
ホワイト・デー。
バレンタイン・デーのお返しの日。
辞書には載っていないけれど、伝わった想いをかえす為の大切な日。


朝、マムに恒例の36本の花束を贈った。
今年の花束はカトレアにしてみた。
花言葉は、“年配の魅力”である。

食堂のマダム方には、べたべたしない優れもののハンドクリームと和菓子の詰め合わせを昼一で持っていった。(以前はレースのハンカチとクッキーなどを贈っていたのだがなぜか↑の方がよいとリクエストされた為これもマムと同じく恒例になりつつある)

バレンタインの日に頂いた学校の生徒には、まぁ・・・・その。順次、多種多様にと言うことにしておいて欲しい。(コホン)


そしてもう一つ。
あの人にも・・・・。






 ガラガラガラ〜〜ッ


「しっずかセンセ〜、いる〜〜?」

もの静かなこの雰囲気を一瞬で消し飛ばしてしまったのは金髪の天使、こと桐生三兄弟の次男坊、昇くんだ。

線の細い、儚げな美人の容姿を体現しながらも“〜坊“と私に言わせてしまう不思議な子である。
しかも、かなりガードが固い。

「ねぇ、静センセ〜?」

椅子に座ったままにっこりと笑いかけて返事に返すとなにやら妖しげな笑顔で近づいてくる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ど、どうしたんだろう、私。急に寒気が。

「どうしたんだい?」

言葉も少なめになってくる。

「今日(強調)は元気?大丈夫?落ち込んでない?」

???

「センセは今日、何か予定ある?」

??・・・・・・・・!

「さぁ、どうだろうね。ご想像におまかせするよ」

大人の余裕をみせなければね、ふふ。

「私のことよりも、昇君はどうなんだい?」
「ふぇ?」

いきなりの私の反撃にキョトンとした瞳の昇くん。
・・・・・・・・・はっきり言って反則的に可愛い。

「センセ”は”と言うくらいなのだから昇くんは先約ありと言うことでしょう?」

にっこり。

「・・・・・・・・・・センセってば、人の言葉尻を取ってずるいよ。」

俯きながら拗ねたように言い返してくる。
毛を逆立てて「フーフ―」威嚇しているネコのような可愛らしさである。

「私の今日の予定を知りたいのかい?」

ついつい、からかってしまいたくなるじゃないか。

「・・・・・・・」
知らない!とでも言うように無言でフイッと顔をそむける。

その様子があまりにもキュートで、私のからかいモードが止まらないようだ。

「今日は・・・。恋人と逢って、恋人と食事をして、恋人とホテルに行って、恋人とお風呂に入って・・・・・そして。」

言葉をつむぎながら、昇くんの変化をじっくりと見つめる。
そむけていた顔を段々こっちに向けて、そして最後には食い入るように私を見る。

「恋人にバレンタインのお返しを贈るんだよ」

更ににっこり。

「・・・・・・・・・・・・・・・それだけ?それで終わりなの?」

顔を真っ赤にしながらもそんな事を聞き返してくる。

「そうだよ?」
「ホントにそれだけ?それで終わり?」
「そうだよ」

更に更ににっこり。

「昇くんはその後、何を期待しているのかな?」

今度は違う意味で紅くなっている昇くんに思わず笑いがこみ上げてくる。

「・・・・・・・・・・センセの意地悪。」

そう呟いた昇くんの表情は今までと変わらないはず・・・・なのにどうしてまた先ほどの寒気がしてくるのだろう。

「・・・・・・・でも、恋人いる事わかったし。今日はこれでいっか〜。
静センセ。貴重な情報をありがとうvv
今度はその、お返しの中身も教えてねっ(はぁと)」


ガラガラガラ〜〜ッ(ぴしゃ)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひゅるるるるる〜〜〜〜〜〜(斎姫的ツッコミ)


木枯らしが一気に吹き通って行った・・・・・・・・・・・・・・・・・ようである。



       チャンチャン(後にはちょっと茫然自失気味の静先生が一人v)


つ・づ・く


さて、金髪の悪魔、登場ですv
でも、まだまだセンセには敵わない?

斎姫さま、ありがとうございますv
もちろん続きもよろしくです(*^_^*)


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