「30403」たか。さまからのリクエスト『涼太、自爆する』


さて、今日の生け贄は晴れて両想いになった中沢涼太くん。
インタビュアーは412号室の悪友、早坂陽司くんです。




陽司:涼太。この前のこと、ちゃんと説明しろよ。

涼太:この前のことって?

陽司:お前、手紙読むなり『今何時だっ』って叫んで、雨の中、どっかいっちまったじゃねーか。

涼太:そうだっけ?

陽司:しらばっくれるな。調べはついてんだ。

涼太:なら聞くなよ。

陽司:お前の口から弁解させてやろうって言ってんじゃんか。

涼太:ちょっとね、バスケ部の方でトラブっただけだよ。

陽司:ほー、ちょっとトラブっただけで、土砂降りの中、後輩を抱えてダッシュか。そりゃまたえらいトラブルだな。

涼太:お前…見てたのかよ…。

陽司:うにゃ、ちょうどお前を追いかけて寮からでたところで、おろおろしてる中学バスケの主将と副主将コンビに出会ってさ。

涼太:うー、やっぱりあいつらだったか…。

陽司:おかげでうまくいったみたいじゃんか。

涼太:…まぁな。

陽司:まあ、俺としては一人でもライバルが減って嬉しい限りだけどな。

涼太:…お前まさか他人に喋ってないだろうな。

陽司:まさか。(大丈夫。葵と祐介にしか言ってないから)

涼太:ホントか?

陽司:ホントほんと。(だって、412号室の仲間は他人じゃないもんねー)

涼太:ならいいけど…。俺はともかく、貴史が噂の的にされるのはごめんだからな。

陽司:ふふっ、愛だねー、涼太クン…。

涼太:…何とでも言え。

陽司:で…。

涼太:…で?

陽司:どこまで行ったんだ。

涼太:どこまで………って……………。お、お前っ、何の話だっ。

陽司:やだねー、今さら。まあ、体育館ならシャワーもあるし、マットもあるし…もってこいのシチュエーションだよな。

涼太:あのな、俺はただ、冷え切った貴史を暖めてやらなくちゃと思ったから…。

陽司:はいはい。濡れた服を脱がせて暖めてやったんだろ?

涼太:…う。

陽司:秋園って………いい?

涼太:だーかーらー!俺は貴史が大切なのっ。誰にも触らせたくないくらい大切で大切で…、俺のすべてをやってもいいと思うほど大切なんだっ。だから…。

陽司:だから?

涼太:そんな、貴史を怖がらせるような真似は…。

陽司:出来ないって?

涼太:…まあな。

陽司:誰にも触らせたくないくらい大切だから、自分も触れない?

涼太:……。

陽司:ダンナ、そりゃ秋園がかわいそうだぜ。

涼太:なんでだよ。

陽司:大切にされすぎるとさあ、かえって不安になるもんだぞ。

涼太:え…?

陽司:『もしかして僕って愛されてないのかな…』なんてさ。

涼太:…そんなもんなのか?

陽司:(きっぱり)そんなもんだ。

涼太:でも、貴史はまだ中学生だし…。

陽司:ええっ!涼太にそんな道徳観念があったとはっ!!

涼太:お前なぁっ!

陽司:よし、わかった涼太。二年生になったら俺たちは二人部屋だ。秋園も高校の寮へ来る。俺がお前の同室者を脅しつけてやるから、心おきなくやれ。

涼太:………(こめかみを押さえている)。

陽司:どうした、涼太。嬉しさのあまり、悶絶か?

涼太:俺、出かけてくる…。

陽司:ふふっ、デートだな。

涼太:…………。

陽司:嬉しそうに照れるな。

涼太:誰が照れてるっ。

陽司:もし自信がないんだったら、俺がキスの仕方教えてやろーかー?

涼太:だ、誰がお前に…。気色悪いこと言うなっ。

陽司:俺のキスって甘いんだってさー。

涼太:貴史のキスだって甘いんだからなっ。…………あ。

陽司:…やだー、涼太クンったら、恥ずかしい〜。

涼太:…………(自爆)。




恐るべし、412号室。
しかし、陽司は誰とキスしてるんだ?


ブラウザのバックボタンでお戻り下さい