69996:秋本司さまからのリクエスト『葵、幼き日を語る』


今日は葵くんに幼い日の想い出を語ってもらいましょう!
インタビュアーはもちろん、祐介くん!



祐介:葵ってどんなチビだった?

葵:僕?僕は良くできたお子さまだったよ。

祐介:ほんと?

葵:品行方正成績優秀眉目秀麗天上天下唯我独尊

祐介:最後の方、何か違うぞ。

葵:気にしない、気にしない。

祐介:それにしても、小学校の頃から成績よかったわけ?

葵:うん。ほとんど全部『5』だったよ。

祐介:『5』?

葵:うん、僕が行ってた学校は、小学校も中学校も『5段階評価』だったんだ。

祐介:そっか、ここは『10段階評価』だからね。

葵:うん。そうみたいだね。

祐介:でもさ、ほとんどってことは、『5』でなかった科目もあるんだ。

葵:まあね。

祐介:へー、葵は何が苦手だったんだ?

葵:ナイショ。

祐介:どして?

葵:いいから。この話は忘れて。

祐介:えー!気になるっ。

葵:祐介〜、今日の『お題』は『葵くん、幼き日の想い出を語る』だろ?僕が苦手だった科目の話なんていいってば。

祐介:何でさ。葵が小学校の頃苦手だった科目のことだろ?十分に『幼き日の想い出』じゃんか。

葵:う…。

祐介:なんだろ、葵の苦手な科目って。

葵:祐介〜。

祐介:今、その科目ってないだろ?

葵:どうしてわかるの。

祐介:だって、今葵が苦労してる科目ないから。

葵:なるほどね。

祐介:ってことは、必修科目じゃないんだ。

葵:祐介、すっかり探偵気分だね。

祐介:選択科目で、しかも小学校からあるっていうと…。

葵:……。

祐介:わかった!!葵が絶対取れない科目だ!

葵:ぎくぅ…。

祐介:管弦楽部員の『芸術選択』は、音楽必修だからね。

葵:さすが祐介、よくわかったね…。

祐介:で、それのどこが苦手だったんだ?

葵:うーん、自分ではよくわかんないんだけど。とにかく、色を塗ったらおしまいだってよく言われた。

祐介:色、ねぇ。

葵:うん、デッサンまではいいんだけど、そこから後が…。

祐介:例えばどんなの書いた?

葵:そうだね〜。うん、小3くらいの時かなぁ、『青い鳥』のお話を読んで絵を描こうっていうのがあったんだ。

祐介:うん、僕もそう言うのやった覚えがある。

葵:僕は、青い鳥が飛んでいるところを描いたんだけど、やっぱりデッサンまでは誉められたんだ。

祐介:ふんふん。

葵:で、色を塗ったんだけど…。

祐介:鳥は青だろ?

葵:う…。僕、青い鳥黄緑に塗ったんだ。

祐介:はぁ?

葵:だって、『青い鳥』って人の心に住むものだから…。目で見る『青』でなくてもいいかなって。

祐介:葵…。

葵:我ながら、大胆な色使いだなって感心したんだけど、先生からはダメって言われちゃって…。

祐介:葵!そんなの気にするなっ!成績が何だ、『5段階評価』がなんだっ!葵の『青い鳥』は黄緑でいいんだっ!

葵:祐介…。ありがと…。(うるうると見上げる)

祐介:う…(煩悩直撃)



き、黄緑の『青い鳥』…(笑)


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